コミュニーケーションを大切にお客様の声を拾い上げる
営業活動全般におけることですが、お客様がなにか困っていること、もしくは不安を打ち明けるときは、やはり信頼している人に声をかけると思います。
そうしたお客様の真の声を拾い上げるためには、
お客様のもとに足繁く通って、
お客様が相談しやすい存在になる必要があります。
そのこともあって、当社は対面営業を大事にしています。
そこで、お客様の社内会議に出席したり、新しい製品ができたらすぐに提案するなどのコミュニケーションを取ることが、お客様と良い関係を築くことに繋がります。
その結果、お客様も当社製品に興味を持ち、私たち営業が当社の製品の良さを伝えることによって、相互理解を深めていきます。
当社だけでは、数あるエンドユーザーをすべてフォローすることはできません。
ですから、製品を扱ってくださるお客様との良好な人間関係が重要になってきます。
そうですね。そうすることでお客様にも自信をもって当社製品を扱ってもらえるようになりますね。また、お客様からいただいた情報を技術部門に伝えてニーズに合った製品を作っていくこともありますね。
大企業だと営業は営業、技術は技術ということになりがちですが、当社はものづくりの会社ですので、営業担当でも”ものづくり”に参画することがあります。営業の誰しもが製品化に積極的に携われることが、当社のような規模の会社の強みであり、売りであるわけです。当社のプロジェクトには若手のうちから携われますし、若手社員が中心となって進めているケースも多いです。
私たち技術も必要な場面でお客様のところに同行し、お客様と直接話をしています。そうすることで、お客様の不安を理解し、少しでも解消することで安心感を与え、当社の信頼を獲得できるよう努めています。
つまり、営業と技術で協働しているんです。
月例会議から世の中にないものを
具現化するためのプロジェクト
営業と技術で毎月連絡会議を開き、いろいろな開発のテーマを決めたり、
お客様のニーズに応えるべく技術の方々と協力しています。
若い優秀な技術スタッフも一生懸命取り組んでくれていますね。
会議のメインは営業担当が拾ってきたお客様の声と当社でできることのすり合わせです。
製品開発の進捗を確認したり、
お互いの仕事の領域を理解し合う場でもあるよね。
「コロナ禍で何かできないだろうか」というテーマをもとに、
お客様からの抗ウイルス製品ニーズを毎月の会議で取り上げて取り組みました。
コロナ禍における新製品誕生
抗菌・抗ウイルスターポリン「クリスタルターポ ®CT-1030-9」
世の中にないものを平岡の技術で生み出していく
コロナ禍にあって、当社でも抗菌・抗ウイルス製品をつくれないかというお客様からの要望があり、なかでも当社の透明膜材で抗ウイルスのものがほしいという声が非常に多かったんです。
具体的な用途としては、間仕切り、カーテンなどです。
コロナ禍以降、人の手が触るものをわざわざアルコールなどで除菌しなくてはいけなくなりましたよね。
そう、手で拭かないといけないのが手間だから、拭く手間のない膜材がほしいというのがお客様の要望だったよね。
そこで、売れ筋の間仕切りカーテン用透明膜材「クリスタルターポ®」でそうした機能をもたせられないかと、技術部門に試作品を依頼しました。
抗ウイルス効果がなるべく長期間持続するような資材を探して検討結果をお出ししました。また、「クリスタルターポ®」の商品名を使うので、できるだけ透明性を維持できるような資材を探しました。
これまで、当社には抗ウイルスの商品がありませんでしたよね。
そうですね。抗菌の技術はあったのですが、ウイルスの大きさは菌の 1/10 以下です。抗菌ができるから抗ウイルスもできるというものではないんです。抗ウイルスの性能をもたせると、抗菌の性能ももたせることができるんですが、逆は難しいんです。
推奨の抗菌剤の濃度も材料メーカーさんから指南はあったものの、今まで使った事のあるものではないので、一から手探りで検証しました。
製品化する過程で、
実際に苦労した点はなんですか
抗ウイルス剤を起因とした変色です。
屋内環境で使用する分には問題ないのですが、屋外で使用した際に雨や紫外線によって若干変色するんです。抗ウイルス性能には問題ないのですが ・・・検証実験を行った限り、恐らくは、排気ガス等の外的要因と製品由来の内的要因が反応する事によって変色すると推測しています。
この問題については、現在も継続検討しています。
抗ウイルス性能をつけるのは難しくなかったのでしょうか
それはトライ&エラーです。
抗菌、抗ウイルス製品って、抗菌製品技術協議会のSIAAマーク認証を取得するのが理想です。当社はまだ認証取得できていません。このSIAAと同じ認証試験の方法で同じ性能を出せないと市場で信頼されません。どの抗ウイルス剤がいいのか、どれぐらいの添加量がいいのか、その検証はトライ&エラーの繰り返しでした。
そのため、検証実験には非常に時間がかかりました。
今回は製品化はもちろんのこと、
このコロナ禍に販売を間に合わせるための苦労も大きかったです。
先輩方にも知見のない領域ですし、自分の知識をベースに新しい製品を立ち上げていくので、その楽しみが非常に強かったです。けれども、「クリスタルターポ®」のシリーズのなかでもこの「クリスタルターポ ®CT-1030-9」は新しい性能をもったターポリンですので、本来の力を考えると、営業も僕もまだ完璧ではないと思っています。
今回製品化しましたが 、今後改良を積み重ねていくことでバージョンアップして、さまざまなお客様から認められる製品に完成させていきたいと思っています。
発売が最終点でなく、改善を重ねて製品が
さらに進化していくことを私たちは求めています。
あとがき
新しいものに対して抵抗なく果敢に挑戦していく姿勢こそが当社の強みであり、その取り組みにこそ当社の社会的存在価値であること、おわかりいただけたのではないでしょうか。