今回は「バイオマスターポリン」開発までの道のりと当社の環境への取り組みについて、当社公式キャラクターのまくいちくんにインタビューしてもらいました!
バイオマスターポリンを作ったきっかけはなんですか?
環境負荷の小さい製品をヒラオカ製品でできないかということでそこから着手しました。
最初は埋め立てた時に分解するような、生分解性のあるターポリンの開発を始めたんです。
しかし耐久性の面などでターポリンとのマッチングがなかなか難しくて…。
次に、カーボンニュートラルの観点から、
バイオマスターポリンの開発に着手した、というのが始まりですね。
私たちが言うバイオマス製品とは、資源作物を原料にして製造された資材を使って製造されたものと捉えています。
その上で、A君にはいろいろ検討してもらったよね。
環境負荷の小さい製品はハードルも高いんだけど、会社として大事なことなので技術部としても力を入れていました。
バイオマスターポリンを製品化するにあたって苦労したことはなんですか?
試作品が要求性能を満たしているのか1つずつチェックするのは、時間のかかる作業だったなと思います。
逆に、出来上がったものが現行品と差がないと、性能だけではPRしづらいので課題でもありました。
そうですね。お客様も環境配慮に対して前向きな姿勢でしたが、特殊な資材を使用しているので、コストが少し高くなってしまうというところが営業としても懸念点でした。
そんな中、官公庁に販売されているお客様がいらっしゃいまして、環境配慮に対しての意識も強く開発に至りました。
技術と営業で連携を取りながら仕事をしていて気付いたことはありますか?
どんな製品が求められているのかを営業担当者がお客様の声を拾い集めて持ってきてくれます。それに対して、今度は技術部がどこまで再現できるのかを検討します。それは価格の件も含めてなんですけどね。
売れないものを作ってもしょうがないので、営業担当者が持っているニーズと技術部が持っているシーズをお互いが知ることで効率よく開発を進められたことが、営業本部と技術部で一緒にやろうと言ったところの効果かなと思っています。
Bさんのおっしゃるように、何でも技術部に検討していただくわけではなく、
「本当に売れるものかどうか」が営業担当者として第一に考えないといけないところなので、まずお客様との情報交換。
細かく情報収集をして、そこで得た情報を元に整理して、技術部にできるかどうか相談する。もちろん迅速になんですけども、そこを丁寧にしていくことが大切だなと気づきました。
ヒラオカではこれまでにどのような環境配慮製品を作ってきましたか?
我々は塩化ビニル樹脂を使っているのですが、他の材料への切り替えが進んでいません。1990年代ぐらいにダイオキシンによる環境問題が発生し、その原因として、塩ビが悪いという誤報道がされて、かなり問題が大きくなりました。
社会問題化したので、塩ビで物を作っている平岡織染もこの先どうなるかわからないと思い、塩ビ以外の樹脂で産業資材のシートを作る検討を行いましたが、今生き残っているのはエコターポとノンハロメッシュ、この2品番だけですね。
いろいろ検討した結果、塩ビは安い・加工しやすい・耐久性がある・耐薬品性もある・防炎性も出しやすい。こんなに産業資材にとって良い材料は他にないということがわかりました。これ以降は、製品寿命を長くして産業廃棄物の発生を少なくすることが当社の考える環境配慮として製品開発に取り組んできました。
他にも製品化したものはありましたか?
設計をして加工はできるけど、値段が従来の塩ビ品の5倍も6倍もするので、世には出さなかったものもたくさんあります。
ウレタンで間仕切りシャッターや屋上の防水用のシートを作ったこともありますし、製品化しませんでしたが、合繊メーカーさんの委託でトラックの幌も作ったりしました。
だけど、どれもフェードアウトしてしまいました。
入社するまで環境配慮製品という言葉は聞き慣れなくて、バイオマスは自分の中ではすごく新しいものだと思っていました。
だけど、環境配慮製品は20年ぐらい前から検討されていて、環境の変化に対して長年向き合って、試行錯誤してきた経験があったからこそ、今回こういう製品開発ができたのだと感じました。
これからのヒラオカの環境への取り組みについてはどんな課題がありますか?
今まで大丈夫だと言われていた資材が今後「良くないよね」と言われる可能性は0ではありません。環境に関しては規制に対する各国の対応やニーズの変化など世界全体からの影響が非常に大きい分野ですので、情報に対する感度を上げていかないとこれからは技術部として難しいのかなという不安はあります。
社会的責任として対応しないといけないのが、やはりCO2の削減です。これは国や世界でコミットメントしたわけですよね。バイオマスの製品化は、「CO2の排出を少なくすることをどのように実現していくか」への対応の一例だと思っています。
今回バイオマスターポリンの開発に関わることで環境配慮の必要性を強く感じました。まだまだ採用件数が少ないことから、今後はより多くの方に認知していただく為の啓蒙活動が必要だと考えています。
営業担当者が集めてくる“ニーズ”と技術部の持つ“シーズ”、どちらも製品開発には欠かせないことがよくわかりました!
今回のバイオマスターポリンのように、これからも営業本部と技術部が連携してあたらしい製品を作り出し、社会へ貢献していきたいですね。